福井県大野市に位置する「越前大野城」は、その美しい景観と歴史的な価値で多くの観光客を魅了しています。この記事では、越前大野城の特徴や歴史、おすすめの楽しみ方、アクセス情報について詳しく解説します。
越前大野城の概要
越前大野城は、1575年（天正3年）に織田信長から越前一向一揆を平定した恩賞として越前国大野郡の内の3万石を与えられた金森長近が、その翌年（1576年）、最初に居城とした戌山城の近くの亀山（大野盆地の小孤峰）に城郭を築き始めたのが始まりです。築城に4年間を要し、1580年（天正8年）に竣工しました。その後、青木一矩時代を経て織田秀雄が城主を務め、大野宰相と称されました。
江戸時代に入ると、越前松平家が3代続いた後に天領となり、土井氏で定着するまで目まぐるしく城主が替わりました。城は1775年（安永4年）に焼失し、1795年（寛政7年）には天守を除いて再建されましたが、明治維新後に破却されました。
昭和に再建された越前大野城は、竹田城（兵庫県朝来市）、備中松山城（岡山県高梁市）と並び、城（城跡）が雲海に浮かぶ「天空の城」の異名があります。毎年10月から4月の特定の気象条件がそろうことで「天空の城」となりますが、1年間で10日前後しか見られない風景となっています。
越前大野城の特徴
- 天空の城
越前大野城は、「天空の城」としても知られています。霧が発生する日には、まるで雲海に浮かぶような幻想的な光景が広がり、その美しさから「日本のマチュピチュ」とも呼ばれています。この絶景を楽しむために、多くのカメラマンや観光客が訪れます。 - 歴史的価値
城は戦国時代から江戸時代にかけての歴史を持ち、その間に多くの戦乱や政治的変遷を経験してきました。城内には当時の建築様式や防御設備が残されており、歴史好きにはたまらないスポットです。 - 四季折々の景観
越前大野城は、四季折々の美しい景観が楽しめる場所です。春には桜、夏には新緑、秋には紅葉、冬には雪景色と、訪れるたびに異なる風景を堪能できます。特に秋の紅葉と冬の雪景色は、城の美しさを一層引き立てます。
季節ごとのイベント
- 春 4月頃 満開の桜
お城のある亀山とその周りは、4月頃に満開の桜が咲き誇ります。桜の花に囲まれた越前大野城は、春の訪れを告げる美しい風景を楽しむことができます。 - 春 5月頃 シバザクラ
5月には、シバザクラによる「花のジュ―タン」が約20ヘクタールの水田地帯に広がります。この時期には「シバザクラまつり」も開催され、多くの観光客が訪れます。 - 夏 8月13日～16日 城まつり
夏の一大イベント「おおの城まつり」は、毎年8月のお盆期間に市内の各会場で踊りやイベントが開催されます。この祭りは地域の人々と観光客が一体となって楽しむことができる盛大なイベントです。 - 秋 10月頃 三大朝市物産まつり
400年の歴史と伝統を誇る大野の朝市は、城下町の七間（しちけん）通りで毎朝開催されています（冬季を除く）。このお祭りでは、農産物を中心とした「越前おおの」の特産・名産品の即売市が開催され、各地のうまいもんが集います。 - 冬 2月頃 結の故郷越前おおの冬物語
冬の一大イベント「結の故郷越前おおの冬物語」は、通りが雪灯ろうの灯りで幻想的な雰囲気に包まれます。越前大野城をバックに夜空を彩る冬花火は、冬の風物詩となっています。
おすすめの楽しみ方
- 天守閣からの眺望
越前大野城の天守閣からは、大野市内を一望することができます。特に、早朝や夕方の時間帯には、幻想的な雲海や夕日を楽しむことができ、絶景スポットとして人気があります。カメラを持参して、美しい景色を撮影するのもおすすめです。 - 城下町の散策
城の周辺には、風情ある城下町が広がっています。歴史的な建物や古い街並みが残っており、散策するだけでタイムスリップしたような感覚を味わえます。地元のグルメやお土産を楽しむこともできるため、ゆっくりと時間をかけて巡ってみてください。
アクセス情報
越前大野城へのアクセスは以下の通りです。
- 電車でのアクセス
JR越前大野駅から天守閣まで徒歩40分。 - 車でのアクセス
北陸自動車道福井ICから登り口まで車で約30分。
駐車場も完備されているので、車でのアクセスも便利です。
まとめ
越前大野城は、その美しい景観と歴史的な価値で多くの観光客を魅了するスポットです。天空の城と呼ばれる絶景や、四季折々の風景、歴史散策、城下町の風情など、訪れる人々に多彩な楽しみ方を提供します。福井県を訪れた際には、ぜひ越前大野城に立ち寄り、その魅力を存分に堪能してください。